日常

鯉になる

ドイツに住んで9年半が過ぎた。もう一通りのことは経験したかと思ったけれど、少し前にに初めて入院、手術をした。と言ってもわずか半日なのだけれど。

9月の中旬に受けた検診でひっかかり、悪い部分を取って調べましょうということになった。急を要するものではないので、いかにもドイツらしく、ドクターの秋休みと私たちの秋休みの後に検査手術日の予約を入れた。手術をするドクターはかかりつけ医だけれど、全身麻酔の必要があるので、麻酔科がある近所の大きな病院で行われるとのこと。

 手術の前日の夕方に、確認のためにドクターから電話が入る。「朝一番だから、すぐに終わりますよ」と、場所と時間の確認。翌日に指定された場所へ少し早めに夫とともに出かけた。まだ太陽が昇っていない。

 窓口にドクターと助手の人が迎えに来てくれた。いつも通り握手と挨拶。助手の人からは手術着などを渡されて、デパートの試着室のようなところで着替えをして、荷物はロッカーに預けた。そして待機部屋?のようなところに入る前に一緒に来てくれた夫としばしお別れ。待機所では小さなベットに寝て、そのままオペ室に運ばれた。やれやれ、こういうのをまさに「まな板の上の鯉」と言うんだと、変なことが頭に浮かんだ。廊下の天井が流れるように見えて、まるでドラマのシーンみたいだった。オペ室には既にたくさんの人たちが準備を始めていて、麻酔科の人が二人と、あとは心電図や血圧計をつける人、実際に手術をするドクターを含めて7、8人はいたと思う。違う人によって何か新しいことがされるごとに、名前と生年月日の確認を受ける。朝早いことと、掛けられている布団?のようなものがポカポカ気持ちよくて、麻酔が入っていないうちから眠くなってきた。最後に覚えているのは、腕に注射をされて、酸素マスクのようなものが口の上にかざされて、2、3度深呼吸したところまで。

気がついたら、最初に通された部屋だった。時計を見ると、オペから1時間と少ししか経っていない。窓から見える空が明るくなっていた。私が目が覚めたことに気がついた看護士さんが、水と味の濃くないビスケットを持ってきてくれ、夫を呼んできてくれた。自分で手足を動かしてみたり、寝返りをしたけれど、痛みは不思議なくらい殆どない。無性に喉が渇いていたので水を飲み、その後ビスケットを口にした。その後しばらくウトウトしたり、夫と話したり。(その部屋には飲み物や軽いスナックが用意されていて、自由に食べることができ、雑誌なども用意されている。)昼前にドクターが来てくれて、「ポリープは全部取ったので心配ないし、悪いものではないと思います。念のために検査へ送ったけれど、今日は帰っていいですよ。ただし万が一に備えて、24時間は一人にならないように。」とのこと。一部を取るだけではなくて、ポリープ全部切除したことにびっくりしたけれど、1度で全部済むに越したことはない。着替えをして帰り支度をする。お腹が空いていたので、病院のカフェテリアで遅い朝食をとってから帰宅した。午後にはウトウト昼寝をしたけれど、以外と何でもない自分にびっくり。強いて言うなら、頭の中のピントが時々合わない時差ぼけの時のような感覚がないでもない。夕食は何故かどうしても食べたかったカレーうどんを作って、夫と食べた。美味しかった。5日後にはバレエのレッスンにも行った。

病院全体の印象は、基本的には完全予約制ということもあり、患者さんが少なく、とても静か。病院特有の匂いはなく、廊下やお手洗いのインテリアに凝っていて、カフェテリアも清潔で綺麗でした。医者や他のスタッフ、各所にいる案内の窓口の人たちも親切でホッとした。なるべくなら病院のお世話にはなりたくないけれど、せっかくだからとアレコレ観察と。

 

健康保険に加入が義務なので、小さなクリニックでも病院でもお金を払う必要がなく、診察が終われば帰路へつくことができるのが嬉しい。全身麻酔!?と最初はかなりビックリしたけれど、麻酔科の先生とも事前に問診をするし、ドイツでは胃カメラや腸の検査でも使われるとのことで、そんなに心配しなくてもいいのかもしれない。今回のことで普段使わないドイツ語を使い、良い勉強になった。

 

ドイツでいいなと思うことの一つに、クリニックや病院では、最初と別れ際に患者とドクターが握手をすること。目を見てちゃんと挨拶をすることで、安心が増すような気がする。

 

そうそう、手術室で特に気になったのはライト!単に白色ではなく、いろんなパステルカラーが混ざっていて、意識がなくなるまで、色が変わるの?それともこのまま?とか、すごく気になっていた。家に帰ってきてからググっ見ると、LEDのいろんな色があることにより、光が当たっていても実物の色に近い色が見えて、影の部分が出来にくいとのこと。なるほど、ひとつ利口になった気がした。(ま、すぐに忘れちゃうかも)

 

肝心の検査結果は、悪性のものではないし取ってしまったので大丈夫とのこと。ひゃっほー!続編がないことを願いながらオシマイ。以上、「まな板の上の鯉」でした。長い文章に付き合ってくれてありがとう!

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3 thoughts on “鯉になる”

  1. 手術お疲れ様でした。
    私も6月に全身麻酔の手術しました。腹腔鏡で嚢腫をとりました。
    4㎝ほど下腹部を切ったのですが、
    麻酔が切れると痛すぎて寝返りすら打てませんでした…。
    すごい回復力ですね(^^)/

    1. TABISURUEIYOUSHIさん、こんにちは 🙂 コメントをありがとうございます。今はもう大丈夫ですか?私もずいぶん前に開腹手術を受けたことがあるのですが、断続的ではなかったものの、しばらく引きつるような痛みがあったことを覚えています。

  2. 今は全然大丈夫です。
    というか、術後2日後には普通に歩けたので、医学の進歩ってすごいなって思いました(*^^)v
    でも、5日間くらいは痛み止めを飲んでした(^^;

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