着物 その5

私の母方の両親はとても残念なことに早く亡くなってしまったので、私は写真と母から聞いた話でしか知らない。とても仲がいい夫婦で相次いで病気で亡くなってしまったそうだ。

去年に日本へ里帰りをした時、母から1枚の羽織を譲り受けた。その羽織は母の嫁入り道具の一つで、母の母、つまり私の祖母が自宅の屋根裏部屋で飼っていたお蚕さんから自分で織った布から出来ているのだとか。ドイツへ帰ってきてからも、時々タンスから出しては眺めている。まるで天使の羽衣のように軽いうえに、美しい模様まで織り込まれていて、見とれてしまう美しさだ。時間が経つにつれて、一度も会ったことがない祖母が機を織っている姿が少しずつ想像できるような気がするから不思議。とても手先が器用だった祖母らしいけれど、地道で根気強さを必要とする大変な作業だったに違いない。まさかこの羽織が遠い遠いドイツに来ることになるとは、天国の祖母も驚いているだろうなと思う。

 

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2 thoughts on “着物 その5

  1. 素敵なお話♪ 自分のお蚕さんからの絹糸で織ったものだなんて。。。そういうことをする女性がいたのだなぁってびっくり。お祖母さまの姿が少しずつ浮かんでくるっていうの、なんとなくわかるよ。このブログのバナーに使われている写真、この羽織のもの? FBの方にものっていたけれど、織物だと気付かなかった。
    羽織に袖を通すと、お祖母ちゃんに包まれているような気持ちになれるね♪

    • papricaさん、ありがとう。このバーナーの着物は別で友達からの贈り物で、着物に興味を持つようになったきっかけの1枚。そんなわけで最近まで母が持っている着物などに興味がなかったから、母から聞いたこの話も知らなかったの。話を聞いたときには、昔にタイムスリップをしたような、とっても不思議な感覚だったよ。

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